24.07.2006
2006年6月
1.マクロ経済、統計
(1)GDP
本年第1四半期のGDPが9,815百万レヴァ(5,018百万ユーロ又は6,036百万ドル)で、前年同期と比べて5.6%の増加であったと国家統計局が発表した。1人当たりのGDPは1,268レヴァ(648.40ユーロ)であった。なお、政府の予測によると、2006年のGDP成長率は5.5%、2007年は5.8%である。(6月20日報道)
(2)物価
5月は前月から変動が無く、所謂、5月のインフレ率は0%であり、本年に入って5月まででは4.6%のインフレであったと国家統計局は発表した。なお、前年5月から本年5月までの1年間では8.5%のインフレである。(6月14日報道)
(3)失業率
5月の失業率は9.59%で、前月に比べて0.64%ポイント改善し、1991年9月以降最も低い水準となったと労働・社会政策省は報告した。また、5月の失業登録者数は、355,310人であった。(6月20日報道)
(4)経常収支
1月~4月の経常収支が1,472.9百万ユーロ(対GDP比6.1%)の赤字であったと中央銀行は発表した。前年同期は790.1百万ユーロ(対GDP3.7%)であった。また、4月のみで見ても364.6百万ユーロの赤字であった。なお、外国直接投資の増加が赤字幅の拡大要因となっている。(6月15日報道)
(5)貿易
1月~4月の貿易収支が1,374百万ユーロ(対GDP比5.7%)の赤字であったと中央銀行が発表した。前年同期は1,007百万ユーロ(対GDP比4.7%)であった。1月~4月の輸出額は3,656百万ユーロで、前年同期から29.3%増加した。また、輸入額は5,029百万ユーロで、前年同期から31.1%増加した。なお、貿易収支の悪化はブルガリア財政の安定化を脅かす可能性があるとの見方をしているエコノミストがいる一方で、エネルギー資源及び投資財の輸入が好調であることから、将来における経済成長、延いては輸出拡大が期待できるとの見方をしている専門家もいる。(6月15日報道)
(6)外国投資
1月~4月の外国直接投資額が858.3百万ユーロであったと中央銀行は発表した。前年同期は557.5百万ユーロであった。(6月15日報道)
(7)財政収支
4月末における国の財政収支が872百万レヴァの黒字であったと財務省が発表した。歳入が61億72百万レヴァ、歳出が52億99百万レヴァであった。なお、本年末における財政収支は、10億レヴァ若しくは対GDP比2%以上の黒字になると見込まれている。(6月3日報道)
2.インフラ
(1)コズロドゥイ原子力発電所
現在、2007年1月1日までにコズロドゥイ原子力発電所の3号基及び4号基を廃炉とするための特別活動計画の準備を経済・エネルギー省が行っている。これは5月に欧州委員会から発出されたレターの中で、同原子力発電所の1号基及び2号基の廃炉と同様に、3号基及び4号基の廃炉が確実に履行されるかどうかをブルガリア政府として厳格に監視することが要請されたことを受けた行動である。(6月6日報道)
(2)ブルガス-アレクサンドロポリス石油パイプライン
総延長距離300㎞、総工費10億ユーロに達するブルガス-アレクサンドロポリス石油パイプラインの建設に係る覚書に、ロシアのGazprom社がギリシャのAktor社とともに署名を行った。ブルガリア、ギリシャ及びロシアの関係者(企業)は、6月中にモスクワにおいて本パイプライン建設に関する会合を開催する予定である。(6月7日報道)
(3)電気料金
本年10月と来年夏にそれぞれ電気料金が値上げされるとエネルギー・水規制委員会のショウショウロフ委員長が述べた。本年10月には6.9%の値上げが、来年夏には本年末に実施予定のコズロドゥイ原子力発電所の3号基及び4号基の廃炉に伴い、少なくとも10%程度の値上げが見込まれている。(6月15日報道)
(4)ドナウ第2架橋
ドナウ第2架橋の建設は2007年5~6月に開始される見通しであるとムタフチエフ運輸大臣が述べた。本建設の開始については既に当初計画から遅れていたところ、もう1年開始が遅れることとなる。本年7月にはブルガリアとルーマニアとの間で建設のための合意書に署名が行われ、8月には両国の国会において本合意書が批准される見通しである。(6月28日報道)
(5)セントラルヒーティング価格
7月1日よりセントラルヒーティング及び温水価格を平均11%値上げするとエネルギー・水規制委員会が発表した。今回の値上げは燃料価格の上昇に伴うもので、ブルガリア国内のセントラルヒーティング及び温水供給センターにおける燃料の約70%が天然ガスに依存していることから、天然ガスの価格が本年初めよりこれまでに9.4%も上昇したことが大きな要因である。(6月29日報道)
3.その他
(1)労働力人口
2005年末におけるブルガリアの労働力人口は4,814,000人で全人口の62.4%であったと社会保障局が発表した。(6月1日報道)
(2)2007年国家予算フレームワーク
連立与党が2007年国家予算のフレームワークを承認した。その中で2007年の国家財政に関しては、歳入を対GDP比41.7%、歳出を対GDP比40.9%と見込んだ上で、最終的に2007年の財政収支黒字を対GDP比0.8%と目標を定めた。また、経済成長率は5.8%、物価は年平均でインフレ率4.4%、経常収支赤字は対GDP比11.8%、外国直接投資は27億ユーロと予測した。(6月6日報道)
(3)SAPARD
乳製品及び食肉加工工場・農場の近代化及び林業開発に関する73プロジェクト、総額182百万レヴァをSAPARD庁が承認した。2001年以降これまでに、SAPARDの下で合計2000プロジェクトが承認され、総額16億レヴァが拠出されている。(6月8日報道)
(4)新車販売
1月~5月のブルガリア国内の新車販売台数は前年同期と比べて26.69%増加の15,393台であったと自動車輸入販売組合は発表した。自動車メーカー別における販売台数のトップはプジョーの1,756台で、以下、フォードが1,680台、トヨタが1,450台と続いた。(6月13日報道)
(5)家計収入
4月の平均家計収入が498.5レヴァであったと国家統計局は発表した。また、4月の平均家計支出は462レヴァであった。(6月16日報道)
(6)付加価値税(VAT)改正
国民議会の議案として提出されているVAT法改正案によると、2007年1月1日よりEU諸国からの中古車輸入に対してはVATの支払が免除されることが盛り込まれているが、この結果、国の歳入が200百万レヴァ減収となる見通しである。一方で、行政サービスに対して来年から20%のVATが課せされることとなり、これに対して弁護士や公証人からは、行政サービス価格(手数料)の相当程度の値上げに繋がるものとして反対を唱えている。(6月16日報道)
(7)人口統計
2005年末時点でのブルガリアの人口が7,718,750人であったと国家統計局は発表した。前年に比べて0.5%の減少であった。なお、ブルガリア国民の平均年齢は41.2歳で、平均寿命は72.55歳であった。また、都市部の人口は全体の70.2%を占め、労働力人口は4,814,000人(全体の62.4%)であった。(6月17日報道)
(8)賃金予測
労働・社会政策省の所得戦略によると、2007~9年におけるブルガリア国内での賃金の上昇率は7.5~10%と予測されている。賃金上昇の主な理由としては、民間部門及び公的部門共にインフレに対応するためと見られている。(6月19日報道)
(9)最低月額年金
現在の最低月額年金支給額は72.45レヴァであるが、来月よりこれが5%上昇して85レヴァになるとマスラロヴァ労働・社会政策大臣が述べた。これにより最低月額年金支給額は、最低月額賃金の52%となる。(6月20日報道)
(10)財政収支予測
向こう3年間のブルガリア財政収支予測を政府が承認した。本予測によると、2007年の財政収支は対GDP比0.7%の黒字で、2008年は0.7%、2009年は0.6%のそれぞれ黒字を予測している。また、GDP成長率は2007年が5.8%、2008年が6.2%、2009年が6.1%の成長で、物価については2007年が4.4%、2008年が2.8%、2009年が3.1%のインフレ予測となっている。(6月23日報道)
(11)マクロ経済予測
ブルガリア政府は本年のブルガリア国内消費の伸びが鈍化するとの見通しから、本年のGDP成長率を従来予測していた5.5%から5.3%へと下方修正すると共に、インフレ率を4.9%から6.9%へと修正した。また、経常収支赤字は対GDP比12.4%、外国直接投資は24億ユーロ(対GDP比9.95%)と予測した。なお、2007~9年のマクロ経済予測についても変更した。(6月27日報道)
<2007~9年マクロ経済予測>
GDP(百万レヴァ):51,043、55,565、60,567
GDP成長率:5.8%、6.2%、6.1%
インフレ率(年末値):3.1%、2.8%、2.9%
インフレ率(年平均):4.4%、2.8%、3.1%
対米ドル為替レート(レヴァ/ドル):1.55、1.55、1.55
経常収支赤字(百万ユーロ):3,066、2,947、3,003
経常収支赤字(対GDP比):11.8%、10.4%、9.7%
貿易収支赤字(百万ユーロ):5,725、6,261、6,900
貿易収支赤字(対GDP比):21.9%、22.0%、22.3%
外国直接投資(百万ユーロ):2,708、3,009、3,097
外国直接投資(対GDP比):10.4%、10.6%、10.0%
注:上記の数値は、それぞれ左から2007年、2008年、2009年の予測値。
(12)格付
格付機関であるフィッチレーティングス社は、ブルガリアの外貨建て長期の格付をBBB-からBBBへ、自国通貨建て長期の格付をBBBからBBB+へとそれぞれ格上げを行った。また、外貨建て短期の格付はF3、カントリーシーリングBBBを確認するとともに、格付アウトルックは「安定的」との見解を示した。同社アナリストによると、ブルガリアのソブリン格付は持続的な成長傾向に支えられているとのことである。なお、同社の予測によると、本年のブルガリアの財政収支は3%の黒字が見込まれている一方で、経常収支赤字は対GDP比12%程度と予測されている。(6月29日報道)
(13)繊維製品輸出
本年第1四半期の繊維及び衣料品のEU諸国への輸出が、前年同期と比べて17%増加した。輸出先は、トップがイタリアの輸出総額が187.5百万レヴァで、以下、トルコ、ルーマニアと続く。一方で、米国及びロシアへの輸出量が減少した。(6月29日報道)