鷲見大使着任挨拶

令和7年11月25日
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 この度、駐ブルガリア日本国大使として着任しました、鷲見周久です。国際社会が目まぐるしく変化する今、ブルガリアとの長年の友好関係がより一層意味を持つように感じられます。このような強い信頼があるもとで活動できることを、心から光栄に思います。
 
 日本とブルガリアの関係は、2024年に交流開始115周年、外交関係樹立85周年、外交再開65周年を迎えました。本年は、大阪・関西万博2025及び戦略的パートナーシップの締結を契機に、ブルガリアからラデフ大統領をはじめ多くの方々が日本を訪れられたほか、日本からも政務官やビジネス代表団がブルガリアにおいでになりました。こうした要人の往来や多角的な意見交換は、これからも更に盛んに行われていくことでしょう。
 本年より、ブルガリアはシェンゲン領域に完全参加しました。明年からはユーロを導入します。EU、そしてNATOにも加盟するブルガリアは、安定した成長を続けており、その真摯な取組により日本企業の関心も着実に高まっています。持続可能な未来に向けて協力の可能性が広がるなか、両国ビジネス交流は一層の発展が大いに期待されます。
 
 幸いなことに、ブルガリアは長きにわたり親日的な国として知られ、多くの方々が日本に対し好意的な印象を持ってくれています。こうした背景のもと、日本の魅力の発信や日本文化の紹介、日本語の普及等に不断に取り組むことが大切です。大使館が1990年より毎秋開催する「日本文化月間」は、秋の恒例行事として定着し、伝統から現代に至る多様な日本文化を発信する催しとして、ソフィアを中心に地方都市にも広がりをみせています。日本語教育分野では、日本学科を有するソフィア大学が中心となり、裾野が広がりつつあります。こうした活動を通じて、両国の相互理解と友好がより一層深まることを願い、引き続き努力を重ねていきたいと思います。
 
 最後に、ブルガリアの地で日々ご活躍される皆様に、日頃より大使館の活動に御理解と御協力をいただいておりますこと、心より感謝申し上げます。これからも皆様の安心・安全な暮らしを支えるべく、誠心誠意取り組んでまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
 
2025年11月25日
駐ブルガリア日本国大使
鷲見周久
 
(略歴)
・1959年大阪生まれ。東京大学法学部卒業、ハーバード大学経営学修士(MBA)。
・1982年大蔵省(現・財務省)入省。
財務省、金融庁、総務省、在米日本大使館で勤務。国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所長を務め、共著を出版。直前は、政策研究大学院大学理事及び客員教授。