
平成19年度一般文化無償協力「東ロドピ山トラキア美術博物館センター建設計画」博物館建造物竣工・引渡し式
2月13日(金)12:00よりハスコボ市東アレクサンドロボに於いて、竹田恆治・駐ブルガリア日本国大使とステファン・ダナイロフ文化大臣の列席のもと、ブルガリア文化省国立文化財研究所に対する文化無償協力として実施されたハスコヴォ市東ロドピ山アレクサンドロヴォ古墳の保存と研究支援のための341百万円(約286万6千ドル)規模の施設建設竣工に伴う博物館建物引渡し式が執り行われました。
ブルガリアにおいては、紀元前4-5世紀頃から西暦5世紀に栄えたトラキア文明の遺跡が近年次々と発掘されています。特に本件美術館が研究展示対象とするアレクサンドロヴォ古墳(2000年発見)は紀元前4世紀後半に作られ、貴重な壁画等考古学的にも貴重な遺物が発掘されています。そのためユネスコ世界文化遺産への登録を目指している遺跡の一つです。しかし残念ながら劣化が進んでおり、早急な保全・研究対策が必要となっていました。
このため、同古墳の保全修復に係る研究促進、発掘物の展示を行う美術館の建設及び保全・研究・展示に係る機材のための資金が必要であり、依然として同国の厳しい財政状況に鑑み、ブルガリア外務省を通じ日本政府に対し支援の要請がありました。この要請に応えて、日本政府は同国立文化財研究所に対して、これまでの通常の一般文化無償である機材供与に加え、施設建設費も含めた支援を決定しました。
2月13日には博物館建物が正式に完成し、文化省に引渡されました。今後ボジダール・ヨノフ教授(国立美術アカデミー前学長)らの率いるブルガリア専門家チームが博物館の展示計画を策定・実現し、正式に博物館が開所することとなります。これらの施設・機材が有効に活用され、ブルガリアのみならず世界的にも歴史的価値の高い文化財の保護に貢献し、日本ブルガリア二国間の文化・学術交流発展に役立つことが期待されます。
なお、日ドナウ交流年にあたり日本でも昨年9月より「よみがえる黄金文明展~ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝」が巡回中です。
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