
秋篠宮同妃両殿下のブルガリア御訪問
5月13日から16日にかけて秋篠宮同妃両殿下が初めてブルガリアを御訪問されました。秋篠宮殿下及びパルヴァノフ大統領は今年の「日・ドナウ交流年2009」及び「日本・ブルガリア外交関係再開50周年」の名誉総裁に御就任されています。1月には、パルヴァノフ大統領夫妻も訪日され、天皇皇后両陛下とのご会見や麻生首相との首脳会談を行い、京都などを御訪問されました。本年を通じ、周年を記念するために日本とブルガリア両国に於いて様々な行事等が催されていますが、これらのイベントのうち両国の要人による相互御訪問は、この祝賀年のハイライトと云えます。
ウィーンからお着きになった秋篠宮同妃両殿下は、翌14日にパルヴァノフ大統領夫妻を表敬されました。また、ピリンスキ国民議会議長との御接見の後、日・ブルガリア両国の国歌が演奏される中、無名戦士の碑に献花され、アレクサンダー・ネフスキ寺院などをご視察されました。続いて、ケンピンスキー・ホテルにてパルヴァノフ大統領夫妻と共にソフィア少年少女合唱団の合唱をお聴きになりましたが、発表された曲には皇后陛下が作詩された「ねむの木の子守歌」も含まれており、両殿下は大変感激されたご様子でした。その後、同ホテルで大統領夫妻主催の午餐会に御出席されました。
同日午後に御訪問されたソフィア第18総合学校では、同校児童による出迎えの際に、小学1年生から日本語学習が必修とされている学校だけあり、「ニッポン」コールが鳴りやまない中、両殿下は生徒一人一人からお持ちきれないほどの花束をお受け取りになられました。その後御訪問されたソフィア大学日本学科においても、学生らと日本語で懇談されました。同日夕刻には、竹田大使公邸に於けるレセプションに御出席され、参加されたパルヴァノフ大統領の他、在留邦人とも懇談されていらっしゃいました。
15日、秋篠宮同妃両殿下は、ヘリコプターでハスコヴォ市アレクサンドロヴォ村の東ロドピ山トラキア美術博物館センターの開所式に御出席されました。同センターは、日本政府からの約3億4千万円に上る無償資金によって建設されたもので、同式典において、秋篠宮殿下は、東京で開催された「よみがえる黄金文明展」を興味深く拝見したことをご紹介され、本博物館が末永くブルガリアの歴史遺産の保存と継承そして研究に寄与し、又、日本とブルガリア両国間の文化・学術交流の更なる発展に繋がることを祈念する旨ご挨拶されました。同席した歴史学者であるパルヴァノフ大統領も、挨拶の中で、日本の支援に感謝しつつ、多くの人々が同地を訪問することに期待感を示しました。同センターを後にされた両殿下は、次の御訪問地スモリャンの歴史博物館で、熱心にガイドの説明にお耳を傾けられました。パンポロヴォでスモリャン市長主催の昼食会に御出席された後、ブルガリア人の魂の首都と呼ばれるシロカ・ルカ村を散策され、同村の国立民俗芸能学校では、民族衣装を着た児童の出迎えを受けられ、講堂で民俗音楽舞台をご鑑賞されました。最後には、誘われて踊りの輪にご参加。リズムに合わせて踊られ、村民たちからは大きな拍手を受けられました。
最終日の16日には、ソフィアでサクスコブルグ前首相と御接見され、その後、ボヤナ教会及び国立歴史博物館をご視察され、同日午後、次の御訪問国ハンガリーに向かわれました。
秋篠宮同妃両殿下は御滞在中、パルヴァノフ大統領を初めブルガリア側の手厚い歓待を受けられました。今回の両殿下のブルガリア御訪問は、伝統的に友好な日本・ブルガリア関係の歴史に新たな1ページを刻むことになったと同時に、これまでの二国間関係の増進に弾みをつける大変良い機会となりました。