
「黒海経済協力機構(BSEC)外相会合」:日本の分野別対話パートナーの承認
5月28日、ソフィアにて第22回黒海経済協力機構(BSEC)外相級会合が開催され、日本の申請していた分野別対話パートナー(Sectoral Dialogue Partners) としての地位が承認されました。外相会合には、ムラデノフ・ブルガリア外相(議長)の他、モッタキ・イラン外相等の閣僚級、BSEC加盟国の次官級が出席、日本からは竹田大使を団長として、兼原外務省欧州局参事官等が出席しました。
竹田大使は、日本の分野別対話パートナーの承認に先立ち団長スピーチを行いました。黒海地域は、欧州、中央アジア、中東等の多様な文明、民族、宗教を持つ地域を結ぶクロス・ロードとして重要であり、エネルギーの輸送回廊でもあります。また、3.5億人が居住する魅力的な市場です。竹田大使は、スピーチの中で日本が実施した国会輸送インフラに関する経済協力にも言及しながら、「黒海地域の安定と繁栄は、ユーラシア大陸全体の安定と発展に不可欠」であり、「今回の分野別対話パートナーの地位申請は、日本の黒海地域重視の姿勢の表れ」と述べました。
会合中、BSEC分野別パートナー承認の関係で、多くのBSEC加盟国が日本について言及しました。特に、今年1月に行われた第3回「日・黒海地域対話」(於:東京)は、日本とBSEC間の協力の可能性について協議する意義ある場を提供したとの発言が多くなされました。また、会合後の議長主催昼食会においても、日本の分野別対話パートナーとしての参加への謝意が表明されました。
ブルガリアは、昨年11月から今年5月末までBSEC議長国を務め、BSEC事務局の財政問題、エネルギー、科学技術、交通分野等における協力強化及びBSEC・EU間の協力強化等に精力的に取り組んできました。
ブルガリアのBSEC議長国期間は終了しましたが、日本とBSECの協力関係は始まったばかりです。6月からは、ギリシャがBSEC議長国を引き継いでいます。ブルガリアで開催されたBSEC外相会合から、新しい日本・BSEC関係の進展が期待されます。
Black Sea Economic Cooperation: 黒海沿岸諸国の経済活動の促進を目指す経済機構。1998年発足。事務局イスタンブール。加盟国:アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルガリア、グルジア、ギリシャ、モルドバ、ルーマニア、ロシア、セルビア、トルコ、ウクライナ
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