
03.09.2007
この三年の間、両国間ではハイレベルの交流も活発に行われました。我が国からは、本年1月に24年ぶりに麻生大臣がブルガリアを訪れた他、ブルガリアからはサクスコブルク首相、マーリン副大統領、ピリンスキ国民議会議長その他多くの閣僚が訪日されました。また、短期滞在者と公用で入国する外交・公用旅券保持者への査証免除措置の導入などを受け、民間レベルの人的交流も活発化しています。昨年日本からの年間観光客数が初めて一万人を超えるなど、両国間を行き来する旅行者も増え続けています。
また、ブルガリアの体制転換後、我が国は民主化・市場経済化を支援するために様々な経済協力を行ってきました。大型円借款プロジェクトである「ブルガス港拡張計画」は私の在任中に完工を迎えることができました。また、「ソフィア地下鉄拡張計画」も現在進行中で、日本の援助で敷設された地下鉄駅などを目にする日もそう遠くないでしょう。また、国際協力機構(JICA)を通じた技術協力及びブルガリア国民生活に密着した援助である草の根無償資金協力プロジェクトなどによって、ブルガリア国民の皆様が豊かに生活できる環境づくりに貢献して参りました。
EU加盟を果たしたブルガリアとの関係で最も大きな変化が期待される分野は何と言っても民間投資です。病院建設事業、カリアクラの風力発電事業、ヤンボルでの自動車部品工場の操業開始等、それぞれが今後各分野のモデルケースになり得る案件ばかりです。これまでの両国経済関係は政府間ベースの協力が中心でありましたが、その基礎の上に今後は民間レベルでの活発な投資活動等を通じ、経済関係の緊密化が図られることを期待いたします。
文化交流の分野では、文化無償協力によりソフィア国立オペラ・バレエ劇場、考古学博物館、ブルガリア国営ラジオ交響楽団に対する機材・楽器の供与が行われ、また今年7月にはハスコヴォ県東ロドピ山アレクサンドロヴォ古墳の保存とトラキア美術博物館センターの建設が決定されました。草の根文化無償では琴欧州関が名誉会員を務めるブルガリア相撲連盟に対し土俵・相撲機材の供与が行われ、第18総合学校では日本文化教育センター整備計画が着工に入っています。この様な供与を通じて日本とブルガリアの文化交流を後押しできたことは非常な喜びであります。
また、1990年秋より毎年開催して参りました日本文化月間は今年で第18回を迎えます。両国間の理解と友好関係の更なる強化のため、ブルガリアの皆様に多様な日本の姿に直接触れて頂けるよう内容の拡充に努めて参りましたが、幸いなことにも日・ブルガリア双方の関係者の方より多大なるご理解・ご協力を得ることができ、最近では地方都市でも日本文化紹介事業が頻繁に行われるようになって参りました。またブルガリアからもソフィア国立オペラ・バレエ劇場、ソフィアフィルハーモニー等の日本公演、トラキア展等が開催の運びとなっており、今後もこうした双方向の文化交流の更なる発展を祈念してやみません。
ブルガリアで過ごしたこの3年間、その自然、文化、歴史に魅了される日々でした。日本とブルガリアはこれまで同様にこれからも、お互いの文化を尊重しながら、民主主義・市場経済という価値観を共有するパートナーとして、友好関係を深化していくことでしょう。私も、ブルガリアの友人として、今後も両国関係促進のために協力していきたいと思います。最後になりましたが、これまで日本・ブルガリア関係のためにご尽力下さいましたブルガリア・日本両国の関係者の皆様に心より感謝申上げ、離任のご挨拶とさせていただきたいと思います。有難うございました。
平成19年9月3日
在ブルガリア共和国日本国特命全権大使
福井宏一郎
福井宏一郎駐ブルガリア共和国日本国特命全権大使より離任のご挨拶
2004年9月に在ブルガリア大使として着任して以来早3年の月日が経ち、任期の満了を迎えることとなりました。この三年間では、やはりブルガリアのEU加盟という歴史的瞬間に立ち会うことができたことが感無量でした。新たな国際局面の中で、日本とブルガリアも今後新たなパートナーシップ関係を築いていくこととなるでしょう。
この三年の間、両国間ではハイレベルの交流も活発に行われました。我が国からは、本年1月に24年ぶりに麻生大臣がブルガリアを訪れた他、ブルガリアからはサクスコブルク首相、マーリン副大統領、ピリンスキ国民議会議長その他多くの閣僚が訪日されました。また、短期滞在者と公用で入国する外交・公用旅券保持者への査証免除措置の導入などを受け、民間レベルの人的交流も活発化しています。昨年日本からの年間観光客数が初めて一万人を超えるなど、両国間を行き来する旅行者も増え続けています。
また、ブルガリアの体制転換後、我が国は民主化・市場経済化を支援するために様々な経済協力を行ってきました。大型円借款プロジェクトである「ブルガス港拡張計画」は私の在任中に完工を迎えることができました。また、「ソフィア地下鉄拡張計画」も現在進行中で、日本の援助で敷設された地下鉄駅などを目にする日もそう遠くないでしょう。また、国際協力機構(JICA)を通じた技術協力及びブルガリア国民生活に密着した援助である草の根無償資金協力プロジェクトなどによって、ブルガリア国民の皆様が豊かに生活できる環境づくりに貢献して参りました。
EU加盟を果たしたブルガリアとの関係で最も大きな変化が期待される分野は何と言っても民間投資です。病院建設事業、カリアクラの風力発電事業、ヤンボルでの自動車部品工場の操業開始等、それぞれが今後各分野のモデルケースになり得る案件ばかりです。これまでの両国経済関係は政府間ベースの協力が中心でありましたが、その基礎の上に今後は民間レベルでの活発な投資活動等を通じ、経済関係の緊密化が図られることを期待いたします。
文化交流の分野では、文化無償協力によりソフィア国立オペラ・バレエ劇場、考古学博物館、ブルガリア国営ラジオ交響楽団に対する機材・楽器の供与が行われ、また今年7月にはハスコヴォ県東ロドピ山アレクサンドロヴォ古墳の保存とトラキア美術博物館センターの建設が決定されました。草の根文化無償では琴欧州関が名誉会員を務めるブルガリア相撲連盟に対し土俵・相撲機材の供与が行われ、第18総合学校では日本文化教育センター整備計画が着工に入っています。この様な供与を通じて日本とブルガリアの文化交流を後押しできたことは非常な喜びであります。
また、1990年秋より毎年開催して参りました日本文化月間は今年で第18回を迎えます。両国間の理解と友好関係の更なる強化のため、ブルガリアの皆様に多様な日本の姿に直接触れて頂けるよう内容の拡充に努めて参りましたが、幸いなことにも日・ブルガリア双方の関係者の方より多大なるご理解・ご協力を得ることができ、最近では地方都市でも日本文化紹介事業が頻繁に行われるようになって参りました。またブルガリアからもソフィア国立オペラ・バレエ劇場、ソフィアフィルハーモニー等の日本公演、トラキア展等が開催の運びとなっており、今後もこうした双方向の文化交流の更なる発展を祈念してやみません。
ブルガリアで過ごしたこの3年間、その自然、文化、歴史に魅了される日々でした。日本とブルガリアはこれまで同様にこれからも、お互いの文化を尊重しながら、民主主義・市場経済という価値観を共有するパートナーとして、友好関係を深化していくことでしょう。私も、ブルガリアの友人として、今後も両国関係促進のために協力していきたいと思います。最後になりましたが、これまで日本・ブルガリア関係のためにご尽力下さいましたブルガリア・日本両国の関係者の皆様に心より感謝申上げ、離任のご挨拶とさせていただきたいと思います。有難うございました。
平成19年9月3日
在ブルガリア共和国日本国特命全権大使
福井宏一郎
