
「日本文化発信プログラム」 交換公文署名式
11月7日(金)ブルガリア外務省に於いて、竹田恆治・駐ブルガリア日本国大使とイヴァイロ・カルフィン副首相兼外務大臣との間で「日本文化発信プログラム」に関する交換公文の署名式が行われました。
日本国政府は経済協力の一環として、これまでブルガリアに対しJICAブルガリア事務所の統括のもと243名の青年海外協力隊員(ボランティア)が派遣され、様々な分野で活動を行ってきました。その中には62名の日本語教員が含まれています。体制転換後のブルガリアにおける人材育成の観点から、グローバル化された現代において日本という外国の言語を学習することによりブルガリアの新しい世代に日本語・日本文化に対する理解促進や異文化に対する寛容性を涵養することを目的としていました。
現在、日本語学習者の数は拡大し、また幅広い年齢層が日本語を学ぶようになりました。特に教育で重要な役割を担う初等・中等教育機関において積極的に日本語学習が取り入れられるようになりました。この流れはブルガリア側教育機関の理解と熱意、そして青年海外協力隊員の地道な草の根活動によって支えられてきました。
2007年、ブルガリアはEU加盟によりそれに先立つ2006年にはOECDのDAC被援助国リストを外れることとなり、日本政府の経済協力も終盤を迎えています。2009年3月までにJICAブルガリア事務所の撤退に伴い日本語教員を含む全ての青年海外協力隊員は撤退することとなりました。しかし彼らはブルガリアにおける草の根教育の重要な一部となっていることが評価され、また継続的な教育の提供の観点からも、引き続き日本語教育への支援を続けるべきとの結論に至りました。
右状況に鑑み日本国政府は、青年海外協力隊員に代わる新規スキームの下ボランティアを派遣する「日本文化発信プログラム」を立ち上げるべくブルガリア政府と取組んでまいりました。そして2009年の日・ブルガリア外交関係再開50周年を前に、この度本件制度が成立する運びとなりました。この制度ではブルガリアで日本語・日本文化教育に関与する機関・団体に対し日本政府から日本語や各種日本文化を教授する能力をもつボランティアが2年間の任期で派遣されます。ブルガリアには、本制度による第1号ボランティアとして7名が4都市(ソフィア、ヴェリコ・タルノヴォ、ルセ、スビシュトフ)に派遣されます。渡航時期は来年1月の予定です。彼らは日本語を教える他、書道、着付、茶道、邦楽、アニメなどの日本文化についても講義や紹介活動を行う予定です。